Cigna kanto

何を残そうか

ONE OK ROCKのライブを初めて見た時のこと

2013年5月25日、ONE OK ROCKのライブを見た。
大きなステージで日本のロックバンドを見ること自体が久しぶりでしたし、かなり衝撃的でした。

いまだに好い意味のトラウマ的経験として私の中に残っています。
演奏やステージングが想像を遥かに超えて素晴らしかったことがまず第一ですが、他にも色々と気づいたことがありました。

先ずは物販が凄いことになっていること。
グッズの販売はアーティストや所属先事務所の大きな収入源になっていることを肌で感じました。熱心なファンが開演の数時間前から並び ---始発で来る人も--- 、ライブを見ずに物販だけのために来場するファンも少なくないという事実。(CDが、音源が売れなくなった、って話は後日触れると思います)

セキュリティがバイト級の品質で驚いたこと。
それまでの経験として会場やホールを仕切るセキュリティスタッフは「怖い」存在でしたけど、横浜アリーナで見た係員は制服を着て立っているだけという印象で、こういった所にはお金を掛けないんだな、と思った。

来場しているファンの年齢層が非常に幅広かったこと。
小学生くらいからエアロスミス世代のファンまでが混在しているのを見て期待が高まった。エアロスミス世代の方々は70年代のハードロックから80年代のLAメタル、90年代のグランジやミクスチャー、2000年代の復古的なオルタナまで、ロックの歴史の全てを見てきた方々、その方々が足を運ぶワンオクはどんなライブを見せてくれるのか…。

ライブを見終わってファンが多いこと、ファン層が幅広いことに納得。これは売れるわ、と。

90年代ロックのリスナー周辺からは「洋楽の焼き直し、何が面白いんだ?」的な風評も聞きますけど、誤解のように思う。ワンオクは焼き直しているのではなくハイブリッドなサウンドを追い求めている気がします。スタンダードなロック手法をモダンに再構築してスタイリッシュに成功させているバンド。温故知新。それをエアロ世代のロックファンは敏感に感じ取っているからこそ会場へ足を運ぶ、「エアロの方がカッコいいわ」みたいな比較はせずに「佳いロックは見に行く」その姿が自然。

昨年、2015年5月、静岡のエコパアリーナでワンオクのライブを見ましたけど、進化していて素晴らしかった。

そしてライブ後、掛川駅前のバーで居合わせたエアロ世代のご夫婦がワンオクのライブの感想を静かに熱く語っていたのが印象的でした。